金曜日, 15 4月 2022
ExVel® ターボファンでコストの削減に成功 手厚いアフターフォローも高評価 ~株式会社林原~
林原は2009年、岡山機能糖質工場・T棟(岡山市北区今保)の操業を開始。でん粉を原料として作られる「トレハロース」の生産が行われています。この工場の生産を支えているのが、ハウデンの機械式蒸気再圧縮用ターボファン「ExVel ターボファン」 。2016年の増築工事をきっかけに導入されました。今回は、導入のきっかけや感じているメリット、今後の展望などについて伺いました。

▲(左から)エンジニアリング部 設備設計課長 前田一広様
岡山機能糖質工場 製造一課 精製チームリーダー 川崎翁史様
岡山機能糖質工場 製造一課長 武田啓志様
インタビュー
- エネルギーを効率良く再利用するターボファンで、ランニングコストも抑制
――現在、ハウデンの「ExVel®ターボファン」をどのように活用していますか。
現在ExVel®ターボファンは、岡山機能糖質工場の中でも製品の最終製造工程に組み込んでいます。ここでは、素材に含まれる水分を蒸発させて圧縮し濃度を高める重要なフェーズがあるのですが、それを担っているのがExVel®ターボファンです。
水分を蒸発させる場合、一般的に使用される加熱源は蒸気ボイラーです。実際に当社の工場でも導入していたのですが、蒸気ボイラーで熱を加えることで発生した蒸発蒸気を一定量廃棄せざるを得ませんでした。
しかしExVel®ターボファンは、その蒸発蒸気を再利用できるという大きなメリットがあります。取り込まれた蒸気は再圧縮され、蒸発装置の温度が上昇。素材の水分を蒸発させるためのエネルギーを獲得するという循環を生み出してくれます。エネルギーを無駄なく、効率よく利用できる優れた製品だと感じています。
また、ExVel®ターボファンは電気で稼働します。蒸気を発生させるために必要だったガス燃料が不要になり、全体的なランニングコストを抑えられるのも利点です。
- 優れた性能と耐久性、イニシャルコストが導入の決め手に
――ハウデン製品を導入するに至ったプロセスと決め手を教えてください。
当初は国内メーカーに絞って省エネルギー性の高い蒸発装置を探していましたが、当社の製造現場に適した製品はなかなか見つかりませんでした。そこで、以前から当社の工場設備機器の建設工事・メンテナンスを依頼している会社に相談したのです。取引を通して信頼を置いていたので、客観的かつ合理的な視点から、当社に合った製品を判断してくれるだろうと考えました。
その会社が仲介役となり、メーカーの技術者とコミュニケーションを取りながら、海外製品も含めて比較・検討。展示会にも参加するなどしてようやく見つけたのが、ドイツの機械メーカーの製品と、ハウデンの製品です。
どちらも品質に遜色はなく、優れた製品でしたが、最終的な決め手となったのは導入費用です。ドイツメーカーの製品を購入するには商社を挟まなければならず、高めの見積となりましたが、ハウデンは直接購入できた分金額が抑えられました。もともとコスト削減を目的とした検討だったため、イニシャルコストが軽減できることは当社にとって重要なポイントだったのです。
――導入に至るまでに感じた壁はありますか?
海外メーカーであることから、導入後のアフターフォローについて懸念がありました。海外製品は急なトラブルやメンテナンスが発生すると、必要な部品を取り寄せるのに時間がかかるもの。いざ導入しても安定的に稼働させられるかという不安はありました。
しかしハウデンは、ファンやブロワ、圧縮機を専門に扱う回転機械メーカーだけあって、品質には申し分ありません。長期間安定稼働してくれる耐久性があると考えて採用しました。
実際に導入テストを行い、当社の工場で問題なく稼働するか、どの程度のコスト削減が期待できるか丁寧に検証。仲介役となってくれた企業からも太鼓判を押されたことが安心感に繋がり、万全の準備を整えて導入できました。
- 担当者のきめ細やかな対応に満足。今後はスピード感向上に期待
――製品導入後、どんなメリットを感じていますか?
ExVel®ターボファン導入後と、以前のボイラーを利用し続けた場合のランニングコストとを比較すると、確実に削減できています。イニシャルコストも2年弱で回収できたので、期待通りの結果となって満足しています。
耐久性も高く、導入後これといった大きなトラブルも起こらず順調に稼働。近いうちに5年目の定期点検の時期を迎えるため、そこで改めてExVel®ターボファンを評価したいと思っています。
――ハウデンジャパンのサポート体制にはご満足いただけていますか?
ハウデンジャパンのサポート担当には本当にお世話になっています。少しでもトラブルが発生すれば、すぐに駆けつけてくれるため心強いです。
以前装置に不調が出たときも、ハウデンジャパンの担当者が迅速に対応してくれたため、早期復旧できました。実際はExVel®ターボファン本体ではなく、ハウデンが納入した他社製の制御装置に不調があったのですが、ハウデンジャパンは修繕の多くを引き受け、数日間付きっきりで対応にあたってくれました。
緊急対応だったため、担当者は修理に必要な部品の確保に手を尽くしてくれたと聞いています。段ボールに部品を詰め込み、それを抱えて新幹線で大急ぎで駆けつけてくれた時には驚きましたね。自社製品と顧客に対する誠実な姿勢、国内メーカーに勝るとも劣らないきめ細やかな対応に感謝しています。
――今後ハウデンに期待することがあれば教えてください。
当初懸念していたようなフォロー不足は感じていませんが、スペアパーツの納品やメンテナンスなどは、対応に一定の時間がかかっています。製造現場では、設備をストップする時間が長いほど大きな損失に繋がってしまいますので、万が一のトラブルがあってもすぐに必要部品が届くようにするなど、今後さらにサポート体制を整えていただけると助かります。
まとめ
エネルギーを効率良く再利用するExVel®ターボファンを導入し、コスト削減に成功した株式会社林原様より、担当者のきめ細やかな対応にも満足しているという声をいただきました。今後ハウデンジャパンに期待する点として挙がったのが、スペアパーツ納品やメンテナンスなどのさらなるスピードアップでした。ハウデンジャパンは、2022年中に福岡新工場の開設を予定しています。完成すれば、国内にさまざまなパーツの在庫が可能となるため、さらなるサポート体制強化・サービス向上が実現する見込みです。
株式会社林原 会社紹介
1883年創業。水飴製造からスタートし、独創的な研究開発に取り組む企業として成長。現在はバイオテクノロジーや機能性色素技術を主軸に事業を展開し、食品・健康食品・医薬品・化粧品など様々な分野で活躍している。2012年に、化学品商社の長瀬産業株式会社のグループ企業となり、市場開拓・販売・物流機能が拡大。グループ各社のシナジー効果を強みとし、環境やエネルギー分野への進出も視野に入れている。
株式会社林原
代表取締役 安場直樹
社員数 684名
本社所在地 岡山市北区下石井1-1-3
Webサイト https://www.hayashibara.co.jp/